改正民法施行からもうじき一年

民法が改正されてからもうじき一年経ちます。
昨年の民法改正の中心の一つが、瑕疵担保責任から契約不適合責任への改正でした。

つい、未だに契約不適合責任ではなく「瑕疵担保責任」と言ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、この点について昨年の民法改正でどうなったのか確認しておきたいと思います。

まず、民法改正によって瑕疵担保責任に関する諸条文が削除され、「瑕疵」という文言が使用されなくなりました。
また、原則として特定物を対象としていました。
そして、「瑕疵」も原始的瑕疵(契約締結時までに生じた瑕疵)に限定されていました。

これは、瑕疵担保責任とは、債務不履行責任とは別に法律が特別に定めた責任であるという考え方に基づいていました。
そのため、瑕疵担保責任で請求できる内容も限定的で、原則として契約の解除と損害賠償請求だけでした。
しかしながら、昨年の民法改正によって、瑕疵担保責任は契約不適合責任へと再構成されました。

これは、瑕疵担保責任は債務不履行責任そのものであり、法律が特別に定めた責任というわけではない。
瑕疵担保責任に関する民法の定めは、売買における債務不履行責任の特則であるという考え方に基づきます。

この改正によって、「瑕疵」は、「契約の内容に適合しない」という文言に改められました。
つまり、債務不履行があるかどうか、契約の内容どおりに履行されているのか、によって責任の有無を判断することになります。

また、特定物のみならず不特定物も契約不適合責任の対象となります。
契約不適合責任は、その法的性質を債務不履行責任と考えるのでこのような結論になります。
特定物だろうが不特定物だろうが、契約の内容どおりでなければ責任を問われるというわけです。

それに、契約不適合責任は、原始的瑕疵(契約締結時までに生じた瑕疵)に限りません。
契約の履行時までに生じた「不適合」であれば契約不適合責任を問われます。
この結果、契約不適合責任で請求できる内容は、瑕疵担保責任よりも広がり、契約の解除や損害賠償責任はもちろん、追完請求(修補請求、代替物の引渡請求、不足分の引渡請求の各請求があります。)が可能となりました。
契約不適合責任は、債務不履行の視点からとらえることになりますので、契約に定める内容をしっかりと履行するよう求めることができるというわけです。

また、それらに加え、代金減額請求も可能となりました。
これは一部解除のような位置付けで、契約に不適合はあるが契約全体を解除するほどでもない、という場合に備えて設けられました。

このように、民法改正前と後では大きく異なりますので、注意が必要です。