法律事務所アクロポリス 代表、
弁護士の鈴木 康晃です。
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皆さま、「交通事故に遭ってしまった!怪我はなかったけれど、車が壊れて修理が必要になってしまった!!」という物損事故の場合、その修理代を請求できることはお分かりになることと思います。
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それでは、「家族の様に大切にしてきた車が壊れてしまって心が傷ついた!慰謝料だ!!」と言って物損に関して慰謝料を請求することは認められるでしょうか?
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民法710条には、

「他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、・・・財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。」

と定められていることから、一見すると、認められそうです。
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では、実際はどうなのでしょうか。
裁判例によると、

「➀被害物件が被害者にとって特別の主観的・精神的価値を有し(※社会通念上相当であることが必要)、単に財産的損害賠償を認めただけでは足りない場合、
➁加害行為が著しく反社会的なため財産に対する金銭賠償だけでは被害者の著しい苦痛が慰謝されない場合」

に認められる可能性があるとされています(名古屋高判平成20年9月30日交民41巻5号1186頁等)。
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➀の点ですが、「特別の主観的・精神的価値」を有しているか否かは、社会通念により判断することになります。どんなにご本人が大切にしていた車であっても、車が壊れたということだけでは、「特別の主観的・精神的価値」を有しているとは社会通念上は言えないというのが現状です。
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また、➁の点ですが、過失に起因する交通事故の場合で、「加害行為が著しく反社会的」なことというのは、まず無いでしょう。
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したがって、問いに関する答えは「原則として認められない」ということになります。
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皆さま、くれぐれも交通事故に遭わないよう、お気を付けください。
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法律事務所アクロポリス 代表
弁護士 鈴木 康晃

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